〜アイリッシュ・トラディショナル・ミュージック・スペシャル〜
1 デ・ダナン リール
ラングストロームのポニー、酒場、ラムゼー卿のリール
デ・ダナンの3枚目のアルバム。ロンドン、ニューヨーク、ゴールウェイでレコーディングされた。伝統音楽のアンサンブルとして頂点に達した作品である。シャーン・ノス歌手のショーン・オ・コネールとトム・フォーイジーン・トムの歌声が、この心を癒す妙薬とも言えるアルバムに、独特の香気を添えている。
2 クラナド ソング
ドゥーラモーン・ナ・ビナ・ブイー
クラナドのつくりだす雰囲気は、アイルランドの風景、アイルランド人の気質、感情の豊かさを、その陽気さから内省的な物憂さにいたるまでありありと再現している。優れた演奏技術により、アイルランドとスコットランドの伝統歌の美しいメロディーや生き生きした表情を、都会的なジャズ風アレンジにうまく結びつけている。
3 ブリアン・ヒューズ ティン・ホイッスル、リール
船は海を渡る、アンブローズ・マロニーズ、刈りたての牧草地
才能あふれる新進ティン・ホイッスル奏者のアルバム。14曲収録。活発で流れるような演奏スタイルは、エネルギッシュでのびやかである。このCDに収めた音楽は、優れたセッションでは必ずと言っていいほど演奏される曲目だが、ブリアンの陽気なプレイによって新たな生命力が吹きこまれている。
4 イーファ・ニー・アーリ ソング
ミルク色の髪の少女
イーファ・ニー・アーリは、北西ドニゴールのゲールタハト(ゲール語使用地域)の伝統音楽の新しい世代の歌手である。この地域は、クラナド、アルタンのモレート・ニー・ウィニー、エンヤといった有名な歌手やミュージシャンを輩出している。これまでリリースされてきたアイリッシュ・ソングのなかでもベストと言ってよいアルバムだ。懐かしく夢のように響く、イーファのメロディアスで軽やかな歌声には、その優れた歌の才能がきらめいている。
5 バトンズ・アンド・バウズ ホーンパイプ
追放者の帰還、ディック・サンズ
バトンズ・アンド・ボウズは独特のスタイルにより、華やかで感覚的な音楽を発表している。このコレクションに香気を添える彼らの曲目は、古代のバンティング写本、1920年代に録音された78回転レコード、最近の作品、それにコペンハーゲン・北米・シェトランド・アイルランドの友人たちとの最新セッションなど、さまざまな音源から選んだものである。これはバトンズ・アンド・ボウズの頂点とも言える作品であり、アイルランドの伝統音楽に深く根ざしながらコスモポリタン的でもある彼らのスタイルが、うまく表現されている。
6 メアリ・ブラックとジェネラル・ハンバート ソング
モ・ジール・マー
メアリ・ブラックは、アイルランドのもっとも有名なレコーディング・アーティストであると、アイルランドだけでなく世界じゅうで認められている。彼女は英語で歌って名声を得たのだが、このコレクションには、アイルランド語の伝統歌への理解の深さと優れた技量を披露した歌を集めた。メアリは伝統歌の複雑なニュアンスをしっかり自分のものにして、まったく自然に歌っている。自己に厳しい要求を課す真のアーティストによる、完璧な歌声である。
7 カール・ヘッションとケルティック・オーケストラ リール
朝駆け
このカール・ヘッションの3枚めのアルバムには、彼の多彩な才能をつぎこんだ曲目がきらびやかに並べられている。伝統的な曲や歌に新作も取りまぜ、全曲に、伝統音楽とクラシックの演奏法の微妙な違いからインスピレーションを得たアレンジを加えている。まぎれもなく巨匠の手による作品だと言えよう。
8 パディ・グラッキン フィドル
スポーツマンのパディ、ジョン・ドハーティーズ、マクファーレーズ
パディ・グラッキンは、アイルランドのフィドルの名手に数えられている。伝統音楽のフィドルの演奏にかけては、並ぶ者のないほどだ。気迫とエネルギーに満ちた、パディのフィドルの演奏にじっくり耳を傾けていただきたい。さらにドーナル・ラニーの新鮮な伴奏とドーナルの優れた編曲も加わっている。パディ・グラッキンのフィドル奏者としての類い稀な技量をまざまざと示した録音である。
9 ポードリギーン・ニー・ウーラホーン ソング
真暗き夜
おもにアルスター地方に伝わる”大きな”歌を集めたアルバム。アルスターの伝統歌の保存につとめ、研究と歌唱を続けてきたポードリギーンは、このアルバムでその独自の解釈を示している。アイルランド伝統音楽の最高の歌い手のひとりであると広く認められているポードリギーンが、豊かな感情をこめた重要な作品である。
10 ポール・ブロックとザ・ムーヴィング・クラウド ホーンパイプ
谷に沿って、浜辺の少女
エニスを拠点とするアコーディオン奏者、ポール・ブロックのファースト・ソロ・アルバム。ジョー・デラーンやジョン・J・キンメルといった、アメリカにおけるアイルランド音楽の発展に影響を与えたプレーヤーたちの音楽とスタイルに敬意を表している。このアルバムに収められた幅広い曲目を、ポール・ブロックは最近ではめったに見られないような激しさと強さで演奏しているが、先輩たちへの敬意が優しいアクセントを添えている。
11 シオサーウィーン・ニー・ウァグルイー ソング
若きドーナル
このファースト・ソロ・アルバムで、シオサーウィーン・ニー・ウァグルイーは、故郷の西ケリーのゲールタハト、コルカ・ディーナに伝わる歌を聴かせてくれる。彼女が生まれ育った伝統の重要な部分を占める歌の数々である。独特の感性豊かな歌い方を、持って生まれた声の魅力がさらに引立てている。表現力と色彩に富んだ暖かい声である。
12 メアリ・バーギン ティン・ホイッスル、リール
ドゥーラモーン・ナ・ビナ・ブイー、ア・ストア、ア・ストア、ア・グロー、黒髪の少女
この2枚めのアルバムでメアリ・バーギンは、ファースト・アルバムの人気を高める原因となった同じ姿勢を貫いている。心から直接、純粋な音楽を届けるという姿勢である。メアリのティン・ホイッスルの技量は比類のないものである。優れたリズム感、複雑な指使いと装飾音が曲のなかにきれいに溶けこんで、聴く人を引きつけて止まない。
13 ドロレス・ケーン ソング
フアス・アグ・ゴルチ・アファルノーン
フォーク・シンガーとして不動の名声を誇るドロレス・ケーンは、東ゴールウェイのカハリストラナ出身の有名なケーン・シスターズの姪であり、世界的な演奏者としても知られている。小手先の芸があふれるこの世界において、自分の全存在をつぎこんだ歌声が聴けるのはすばらしいことだ。彼女はアイルランド語でも英語でも歌っており、その蜂蜜のように魅惑的で息の長い声は、聴く人をやさしく包んでくれる。アルバムには、彼女が魅力たっぷりに歌うF・A・ファイーの「ゴールウェイ・ベイ」も収録されている。
14 フランキー・レイン エア
ダ・スロキット・ライト
アイルランド音楽のレコードで”ドーブロー”が初めてリード楽器として使われた、たいへんユニークなアルバムである。フランキーはアイルランドの伝統曲だけでなく、アルゼンチン、フィンランド、メキシコといった遠く離れた国の音楽にも新しい息吹を与えた。演奏する曲の精神や共演に選んだミュージシャンに感情移入することにより、フランキーはこのアルバムを、最近リリースされたなかでももっとも魅惑的な作品のひとつにした。
15 モーレート・ニー・ゴーナル ソング
パダー・ブレナッフの歌
シャーン・ノスであってもフォーク・ソングであっても、アイルランドに伝わる歌には、アルスターとドニゴールの伝統歌の精神が流れている。モーレート・ニー・ゴーナルは、この重要な伝統を表現するレパートリーを備えている。モーレートの歌手としての優れた技量は、かなり前から認められている。この録音では、アイルランド語と英語のラブソングを選んだ。すべて女性の試練と献身をうたった伝統歌である。技術の粋を極めた歌い手により、優雅に華やかに歌われている。
16 ショーン・ライアン リール
ブロデリックス、ゴールウェイの散歩
ショーン・ライアンのティン・ホイッスルの演奏には、たちまち引きつけられる。独特のスタッカート奏法が、リズミカルでエネルギッシュな選曲によって際立っている。ショーンは、そのスタイルと演奏の力で、また熱意と独自のアプローチにより、よく演奏されるお馴染みの曲に新たな息吹を与えた。
17 ドルドーン エア
別れのエア
この録音のためにドルドーンが選んだ曲目に共通するのは、メロディーが際立っていることと、グループ・メンバーの心に響く音楽であることである。多くの曲目に、ヨーロッパとアイルランドのこれまで数百年に渡る音楽的なきずなの強さが映し出されている。ドルドーンは、アイルランドの伝統音楽からバロック音楽までの広いレパートリーを誇る。
18 ポードリック・マク・マフーナ イーリアン・パイプ、ワルツ、リール
テネシー・ワルツ、キープ・ジ・オールド・アーク・ローリング
「ブラス・ナ・マラ/美しい音色の蜂の巣」は、イーリアン・パイプ奏者ポードリック・マク・マフーナのデビュー・アルバムである。このアルバムは、故郷の伝統に深く根ざしながらも、ウィットと創意工夫に富んでおり、アイルランドの詩神(ミューズ)の聖歌としてだけでなく、もっとたくさんの聴き手を引きつけている。
ミッド・アトランティック・ディジタル(ロビン・ロビンズ)により、全曲ディジタル再録